Roblox(ロブロックス)上場申請【S-1 日本語要約】

こんにちは。リッキー徳永(@ricky7co)です。

ゲーム配信大手のRobloxが新規株式公開(IPO)に向けて、2020年11月20日、米証券取引委員会(SEC)に上場申請書類 Form S-1 を提出しました。今回は、そんな10代に圧倒的な人気を誇っているRobloxについて詳しく見ていきます。

Robloxが上場申請 S-1日本語要約

Robloxは、数千万人のユーザーを抱える無料ゲームサービスを運営しています。無料プラットフォームに、独自通貨による課金システムと有料サブスクでマネタイズしており、1日ユーザー数は3110万人。180カ国にもおよびます。以下、S-1の情報をもとに、日本語で解説します。

基本情報

企業名:Roblox Corporation
設立:2004年
主要拠点:カリフォルニア州サンマテオ
ユーザー数:DAUs (Daily Active Users) 3110万人(2020年9月)
設立者CEO:David Baszucki(デビット・バズカッキー)
従業員数:現在フルタイム830名(2020年9月)

概要

主な製品と技術は大きく分けて3つ。Roblox Client(3Dデジタル世界を体験するためのアプリケーション)、Roblox Studio(開発者やクリエーター向けのツール)、Roblox Cloud(プラットフォーム)です。

直近の実績ハイライトは2020年9月30日までの9ヶ月で以下のとおりです。

基本は無料ゲームで遊ぶことのできるプラットフォームです。開発者とクリエーターが独自のゲームを開発し、ユーザーはゲームを大人数でプレイできます。プラットフォーム内にあるゲームのコンテンツ量は5,000万近くあると言われていて、ユーザー層はほとんどが小学生~大学生です。

独自のゲームを作って販売するのではなく、プラットフォームを提供するビジネスです

製品と会社の沿革

設立は2004年。

財務状況

損益計算書 (単位 千ドル)

2019年の売上高は4億8822万ドル(約510億円)。20年は1~9月までで5億8867万ドルとなり、前年同期と比べて68%増えました。

リスクファクター

2020年6月30日、2020年9月30日に終了した3か月間、および2020年3月31日に終了した3か月の一部で急速な成長を遂げました。COVID-19パンデミックにより、ロックダウンや自粛政策によりユーザーが自宅で過ごし多くの時間をオンラインで過ごしたことが一つの原因です。例えば、受注は2019年9月30日に終了した9か月から2020年9月30日に終了した9か月に171%増加しました。

これらの活動レベルが持続するとは予想しておらず、将来的には収益の成長率が低下することが予想されます。

今後の成長はいくつかの要因によって左右され、開発者へのツール向上、プラットフォームの拡張と向上、ユーザーが安全に楽しめる環境作り、プラットフォームの安全性と信頼性の担保、ブランド戦略などによります。

過去には損益を出したことがあり、将来的に収益性を達成または維持できない可能性があります。2020年9月30日の時点で、累積赤字は4億8,400万ドルでした。事業を成長させるために多額の投資を継続する予定であるため、将来的には費用が増加すると予想されます。

ビジネスモデルの成功は、子供の安全なオンライン環境を提供できるかどうかにかかっています。

注視するべき点は、アップルとグーグルのOSに依存していることです。よって、アップルやグーグルが規約を変更したり非協力的になったらかなりの影響を受けるでしょう。収益の34%はiOSから、18%はGoogle Playからとなっています。

その他、COVID-19による影響や、法令の改正によるビジネスの制約もリスクとしてあります。

ビジネスモデル

Robloxはそのプラットフォーム上で実行されるゲームそのものはつくっていません。そのかわり、開発者向けのプラットフォームを提供しています。

ユーザーは、Robux(ロバックス)という仮想キャッシュを使用して、衣類やアクセサリーなどの仮想アイテムを購入します。RobloxはRobux取引の一部を手数料として受け取り、残りを開発者と作成者に配布します。

ユーザーがRobuxを購入する方法は2つ。1つは一回の買い切り、もう1つはRoblox Premiumというサブスクリプションサービスです。このサブスクリプションサービスでは、ユーザは毎月支払いをすることにより、割引価格でRobuxを取得でき、そのほか各特典やマーケットプレイスでの割引やアバターアイテムを取引できる権利を得ることができます。支払い方法はクレジットカードやプリペイドカードなど多種。

開発者とクリエイターはRobuxを獲得することにより稼ぐことができます。

上位の投資とコスト領域

1日あたりのユーザー数(DAU)

ユーザー数は上昇し続けています。グローバルでは直近で1日ユーザー数3620万人。

ユーザーの地域分布

北米(アメリカとカナダ)以外の国のユーザーが全体の67%です。さらに、北米以外のほうがユーザーが増加しています。ヨーロッパ、中東、アフリカでさらにユーザーが増えるポテンシャルがあります。

年齢層

ユーザー年齢層は12歳以下が5割超。グローバルで利用されています。利用端末はモバイルが約7割。性別は約半々です。

全体的に健全でバランスが取れています。ただし、ユーザーが今後歳をとっていくにしたがって、どうやって層を獲得するかでしょうか。

使命と成長

Robloxの使命は、何十億ものユーザー間で体験を共有できるようにする人間の共同体験プラットフォームを構築することです。Robloxの成長は、主にテクノロジーへの多額の投資と、コンテンツとソーシャルという2つの相互に強化するネットワーク効果によって推進されてきました。

このように、コンテンツとソーシャルネットワークの両面があります。

Robloxの強み

ユーザー利用時間の伸びがすごいことになっています。2006年から2016年までのながい停滞期間のあと、2016年以降の伸びが感動的。

2020年における1月あたりの利用時間はなんと30億時間。平均すると、1日1ユーザーあたり2.6時間。さらには、250人の開発者やクリエーターは10万ドル以上稼いでいます。

利用方法

Robloxのユーザーは、あらゆる端末から瞬時にアクセスすることができます。

開発者とクリエーターが稼ぐための仕組み

グロース戦略

Roblox Platformは、世界中で人々が自分自身を表現し、交流し、遊び、学び、働くかたちを変えるポテンシャルを秘めています。
・プラットフォームの拡張
・仮想世界をよりリアルに表現し、ユーザー体験を向上
・年齢層の引き上げ:13才以下だけではなく、24才までの年齢層にもリーチ
・海外戦略:北米以外の国でのユーザーはポテンシャルが高い
・収益化:サブスクリプションサービスの導入や、Netflix, NFLなどのブランドとのコラボ

ブランディングとマーケティング

Robloxのブランディングは、インフルエンサー・マーケティングやコミュニティーの構築をはじめ、オウンドメディアと口コミで成り立っています。さらに安全で健全な環境を提供するプラットフォームというブランディングも強化しています。

マーケティングモデルは非常に効率的です。アプローチはリスティング広告などは使わずにほぼ完全にオーガニックであり、ユーザー、クリエーター、開発者は、コンテンツとソーシャルネットワーク効果を相互に強化することによって成り立っています。また、インフルエンサー・コミュニティを活用して、すべての年齢層のブランド認知度とリーチを拡大しています。

広告を使わない仕組みで成り立っているので、かなり先進的

競合

ユーザー滞在時間に関する競合としては、アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグル、マイクロソフト、テンセント。エンターテイメント業界ではコムキャスト、ディズニーなど。ゲーム業界ではValveやUnity、さらにオンラインプラットフォームとしてネットフリックス、スポティファイ、YouTubeなどになります。

法令等

米国連邦法・州法、諸外国の法律、特にプライバシー関連とデータ保護の法令が関係してきます。インターネット上のゲームをSNSの側面から扱うことから、法律が追いつかないこともあるでしょう。さらには、子供が多く利用するため、児童保護に関係する法律も大きく関わります。

知的財産

45を超える米国特許を取得済み(2020年9月)で、70を超える特許は申請中です。「Roblox」と「Robux」は登録済み。

銘柄コード(シンボル)

銘柄コードは、NYSEに上場したら「RBLX」になるでしょう。分かりやすいと思います。

まとめ

Robloxは単なるオンラインゲームのプラットフォームではなく、今後は仮想空間(メタバース)を構築していくために必要なツールとリソースを開発者に提供する先駆者となるかもしれません。

売上とユーザーは急増していますが、サーバーなどへの投資も巨額なので利益は微妙です。損失も出しています。収益化をどう改善するかが重要でしょう。

それではこのへんで!ご愛読ありがとうございました。