こんにちは。リッキー徳永(@ricky7co)です。
カルロス・ゴーンは15億円の保釈金を支払い保釈されていましたが、保釈条件に違反して海外逃亡したためその保釈金は没収となりました。
そんな保釈金ですが、アメリカでは状況が日本と違っているようです。
カルロス・ゴーンの保釈金15億円 アメリカでは保釈金ビジネス
アメリカでよく見るBail Bondsをご存知でしょうか?それは保釈金を保証(立替え)する会社のことです。
保証と言っても彼らもビジネスなので、保釈金の立替えをして手数料を取るということです。
では誰がその手数料を支払うのでしょうか?それは金銭的な弱者である容疑者です。
そもそもアメリカでは高額の保釈金が払えるのは被告の中でも少数です。多くは保釈金が払えません。
その払えない人達は低所得またはほぼ所得がない層となります。保釈金が払えないと公判が始まるまで数ヶ月長期間、拘留されていることがあります。
自由の代償:保釈金ビジネスは低所得者層を搾取
保釈金を払うことと払わないことの違いはというと、逮捕されて起訴された場合、公判が始まるまで拘置所で待つか釈放されるかです。
もし逮捕され、お金があれば保釈金を払って釈放されます。公判に出廷したら全額返金されるという仕組みです。
しかしもし払えなかったら通常10%ほどの手数料を保釈金保証会社に支払い、立て替えてもらうわけです。いわゆるローンです。
ちなみにこの手数料は、裁判の結果に関係なく保釈金保証会社に支払わなければいけません。
もし無罪になったり起訴が取り下げられたとしても、この手数料は残ります。
さらにその手数料を一括で支払わない場合は、金利で膨らんでいきます。
300万円の保釈金なら手数料だけで30万円という現実
例えば、保釈金が300万円と設定されるとしましょう。その額を一括で用意できない容疑者は、保釈金を立て替えてもらうしかありません。
その手数料は30万円です。もしその30万円も一括で払えない場合は、分割になるので金利も発生します。
そうするとその30万円が33万円、35万円というように膨らんでいくわけです。
アメリカでは保釈金制度を廃止する動きも
アメリカの保釈金制度は、金持ちを優遇していて、経済的弱者は損をしているということが言われています。
その背景を受けて、米国内の保釈制度見直しの動きもあります。 保釈金制度を廃止する州もでてきました。
ニューヨーク州は新たな保釈制度を導入
ニューヨークの新たな保釈制度は、殺人など凶悪事件を除き、被告に保釈金の支払いを課すことを原則禁止するというものです。
要件を満たした被告は、保釈金を支払う代わりに、公判に出廷することを約束する誓約書を裁判所に提出すれば保釈されます。
裁判官は保釈金を設定することができなくなったのです。被告は公判まで保釈金なしで身柄が解放されるわけですね。
テロ、殺人、性犯罪のような重罪でなければ、長期間勾留されることはあまりありません。保釈されるのが通常です。
ちなみにゴーン氏はこのような重罪ではなく経済犯罪です。
保釈金制度廃止に反発するのは、それをビジネスにしている人たち
このようにアメリカでは、保釈金制度を廃止する動きがあります。
ところがそれに反発するのは、保釈金の立替えでビジネスをしている人たちです。
言い方は良くないですが、保釈金を払うことができない経済的弱者から手数料を受け取ってビジネスをしている会社です。
保釈金なしで保釈されるようになれば、当然ビジネスがなくなりますね。
このように、アメリカは法律ありきの国ですが、その中で文化やビジネスが作用しているわけです。
保釈金制度廃止は司法制度改革の一貫です。反発が多く出たら保釈金制度廃止案も撤廃されることになるでしょう。
保釈金ビジネスの人たちが影響を与えていることは確かです。
まとめ
保釈が基本とされるアメリカの司法制度ですが、保釈金ビジネスをとりまく環境も変わってきています。
以上、アメリカの保釈金についてでした。参考になれば嬉しいです。